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相続税申告に必要な書類一覧|特例・控除・贈与との関係を網羅的に解説

   

相続税申告には多くの書類が必要となり、財産の種類や適用する特例によって内容が大きく異なります。

書類の提出漏れは、特例制度が適用できなくなるだけでなく、税務調査の引き金になる可能性もあるため注意が必要です。

本記事では、相続税申告に必要な書類を財産別・制度別に整理し、取得方法や留意点を解説します。

この記事の監修/取材協力

古尾谷 裕昭 税理士

相続専門の税理士法人(VSG相続税理士法人)の代表税理士。同事務所では、年間3,033件の相続税申告を行っており「99%税務調査が入ってこない」「税金を可能な限り安く」「親身に寄りそった対応」という品質で、元国税調査官を招き入れた体制のもとサービスを提供している。

三ツ本 純 税理士

相続専門の税理士(VSG相続税理士法人)。税理士業界に就職した後、10年以上相続税の専門税理士として活動、これまで600件以上の相続税申告に関わっている。横浜出身。書籍「令和3年度版 プロが教える! 失敗しない相続・贈与のすべて (COSMIC MOOK)」など

相続税申告に必要な書類の一覧表(チェックシート)

相続税申告に必要な書類は、被相続人(亡くなった人)や相続人の状況、財産の種類、適用する特例によって多岐にわたります。

以下に、申告手続きを進める上で必要となる主要な書類を区分ごとに整理した一覧表を示します。チェックシートとなっていますので、ご活用ください。

相続税の申告手続きで必要になる書類一覧

区分書類名主な用途・備考
共通書類戸籍謄本(出生〜死亡) 相続関係の証明
住民票の除票被相続人の住所確認
相続人の戸籍謄本相続人であることの証明
法定相続情報一覧図(任意)戸籍謄本の代替資料
マイナンバー・本人確認書類税務署での本人確認
遺産分割協議書 財産分割の合意内容の確認
印鑑証明書実印の証明
遺言書遺言内容の確認
不動産関連 固定資産評価証明書評価額の算定
名寄帳所有不動産の確認
登記簿謄本権利関係の確認
地積測量図・公図土地の形状・面積確認
住宅地図周辺環境の確認
賃貸借契約書収益物件の確認
農業委員会の証明書農地の利用状況確認
株式関連 証券会社の預かり証明書上場株式の保有状況の確認
配当金支払通知書収益の確認
非上場株式発行会社の税務申告書・決算書等非上場株式の評価根拠
預貯金・現金 通帳口座の存在・取引履歴
残高証明書相続開始時点の残高確認
既経過利息計算書未払い利息の評価
保険・年金 支払通知書保険金・退職金の支払確認
保険証券契約内容の確認
火災保険等の保険証財産の確認
解約払戻金・年金評価資料評価額確認
事業用資産 確定申告書・帳簿資産の確認
その他財産 自動車関連書類車両の評価
電話加入権固定電話の権利確認
会員権(ゴルフ等)市場価格の評価
電子マネー・仮想通貨残高・取引履歴の確認
貴金属・美術品等鑑定書・評価書の取得
貸付金等債権内容・返済履歴の確認
債務関連 借入契約書・残高証明債務控除の根拠資料
未納税通知書等公租公課の控除確認
葬儀費用・病院などの費用の領収書控除対象費用の証明
贈与関連 贈与税申告書贈与の事実・金額確認
贈与契約書贈与の内容・時期の証明
教育・結婚子育て資金贈与資料管理契約・使途明細の確認
相続時精算課税制度 選択届出書制度適用の確認資料
贈与税申告書贈与財産の評価根拠
贈与契約書贈与内容の証明
特例・控除関連 小規模宅地等の特例の資料居住・事業実態の証明
配偶者の税額軽減の資料取得財産の確認
障害者手帳障害者控除の適用資料

相続税の申告で必要になる共通書類

相続税の申告を行う場合、すべての相続人が共通して提出すべき基本書類があります。

相続税申告書の入手方法

相続税申告書は、税務署の窓口で受け取ることができます。

また、国税庁のHPでもダウンロードが可能です。

相続税の申告書等の様式一覧(令和7年分用)

(https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/sozoku-zoyo/annai/r07.htm)

亡くなった方の出生から死亡までの連続した戸籍謄本

被相続人の相続関係を証明するには、出生から死亡までの戸籍をすべて取得する必要があります。

被相続人の除籍謄本を含め、戸籍の連続性が確認できるように整理しなければ、法定相続人の範囲や人数を特定することができません。

戸籍謄本は、本籍地の市区町村役場で発行されます。

転籍している場合は、転籍前の戸籍も含めて収集しなければなりません。

戸籍の様式や記載方法は、法令改正などにより変更されることがあり、改製によって旧様式となった「改製原戸籍」の取得が必要になる場合があります。

そのため、戸籍収集時には、記載内容を確認したうえで、取得漏れに注意してください。

亡くなった方の住民票の除票・戸籍の附票

住民票の除票は、引っ越しや死亡などにより、住民票に記載されていた人物が住民基本台帳から除かれた場合に発行される書類です。

相続手続きでは、被相続人の最終住所地を確認するために、除票が必要になることがあります。

戸籍の附票は、本籍地の市区町村において戸籍原本とともに保管されている書類で、戸籍が作成されてから除籍されるまでの住所履歴が記録されています。

住民票の除票が取得できない場合でも、戸籍の附票を取得することで、被相続人の住所履歴を確認することが可能です。

相続人全員の戸籍謄本

相続人の身元確認と意思表示を証明するために、各人の戸籍謄本も揃える必要があります。

戸籍謄本は、被相続人との続柄や相続開始時点の状況を確認する目的で取得します。

たとえば、被相続人の子が先に亡くなっている場合、子が被相続人よりも先に亡くなっていることを証明するために、子の戸籍謄本が必要です。

戸籍謄本の取得方法

戸籍の広域交付制度により、本籍地でなくても最寄りの市区町村の窓口で戸籍を取得できるようになりました。

マイナンバーカードを保有している人は、コンビニ交付サービスを利用して取得できる場合があります。

なお、取得する際には手数料が発生するので注意してください。

法定相続情報一覧図

法定相続情報一覧図とは、相続関係を図式化したものであり、法務局で申請手続きを行うと、認証された一覧図の写しが無料で交付されます。

複数の金融機関や不動産登記などの手続きにおいて、戸籍の代替資料として活用できるため、書類提出の効率化に役立ちます。

なお、相続税の申告時に戸籍謄本を提出する場合には、一覧図の提出は不要です。

マイナンバー(個人番号)・身元確認書類

相続税申告書には、相続人の12桁のマイナンバー(個人番号)を記載します。

税務署では、番号確認と身元確認の両方を行うため、本人確認書類の写しを添付することが求められます。

本人確認書類は、「番号確認」と「身元確認」の両方が可能なものが必要です。

マイナンバーカードを取得している方は、カードの両面により両方の確認が可能です。

取得していない場合は、通知カードと運転免許証など、複数の書類を組み合わせて対応します。

なお、相続人のうち税務署の窓口で申告書を提出する方は、本人確認書類の写しを添付する代わりに、窓口で提示する方法も認められています。

遺産分割協議書

遺産分割協議書は、相続人全員の合意に基づき、財産の分割内容を記載する書類です。

署名・押印に加え、印鑑証明書を添付することで、分割内容の真正性を証明します。

この協議書は、相続税の申告だけでなく、相続登記などの手続きにおいても提出が求められます。

なお、遺言書に基づいて相続税申告書を作成する場合は、遺産分割協議書の添付は不要です。

印鑑証明書

印鑑証明書は、遺産分割協議書に押印された印鑑が実印であることを証明するために使用されます。

不動産登記や金融機関の手続きなど、複数の場面で提出が求められるため、事前の準備が重要です。

証明書は、印鑑登録をしている市区町村役場で発行されます。

マイナンバーカードを利用すれば、コンビニ交付が可能な自治体もあります。

遺言書

被相続人が残した遺言書は、遺産分割や相続人の確定に大きく影響します。

遺言書には種類があり、自筆証書遺言や秘密証書遺言は家庭裁判所での検認手続きが必要です。

公正証書遺言は検認手続きが不要です。

不動産の相続に必要な書類

被相続人が不動産を所持している場合、相続税申告の際には、評価・登記・利用状況などを証明する複数の書類が必要となります。

固定資産評価証明書

固定資産評価証明書は、相続税の計算に用いる不動産の評価額を示す書類です。

建物は固定資産税評価額に基づいて相続税評価額を算出し、土地についても面積や評価額を確認する目的で使用されます。

この証明書は、土地が所在する市区町村役場で発行されます。

被相続人が全国各地に土地を所有していた場合は、それぞれの市区町村で個別に取得する必要があります。

なお、毎年送付される固定資産税の納税通知書により、評価額などが確認できる場合は、証明書の取得を省略できます。

名寄帳

名寄帳は、同一市区町村内にある被相続人名義の不動産を一覧で確認できる書類です。

(名称は、「固定資産課税台帳」など、自治体によって異なります。)

相続財産の網羅性を確保するうえで有効であり、市区町村の固定資産税課で取得できます。

被相続人の所有不動産が明確である場合には、取得しなくても問題ありませんが、異なる市区町村に不動産を多数所有しているときは、名寄帳で確認することも選択肢となります。

登記簿謄本(登記事項証明書)

登記簿謄本は、不動産の権利関係を確認するための書類です。

法務局で取得することが可能で、所有者名義や地目、面積などが記載されています。

相続登記は義務化されているため、相続税の申告だけでなく、相続手続きのためにも取得が必要になる場面があります。

地積測量図および公図の写し

地積測量図および公図の写しは、土地の正確な位置や形状、面積を確認するための図面であり、法務局で取得可能です。

土地の相続税評価額を計算する場合、面積や形状によって補正計算が必要となるため、正確な評価額を算出するには、測量図や公図の取得が求められます。

住宅地図

住宅地図は、不動産の現況や周辺環境を把握するために用いられる地図です。

土地の相続税評価額は、相続開始時点の現況に基づいて計算する必要があるため、現地調査の補助資料として活用されます。

賃貸借契約書

賃貸借契約書は、相続対象の不動産が賃貸物件である場合に確認すべき書類です。

不動産の相続税評価額は、相続開始時点の利用状況によって評価方法が変わるため、収益物件としての評価や、借地権・借家権の有無を把握する目的で必要となります。

契約内容によって評価額が変動するほか、貸付状況を証明する書類としても活用されるため、存在を確認してください。

農業委員会の証明書

農業委員会の証明書は、農地に関する様々な手続きや、農業経営を行っていることなどを公的に証明するものです。

この証明書は、農地法に基づく利用状況や転用の可否を確認するために用いられ、農地の相続税評価額を計算する際に必要になる場合もあります。

また、農地に対する相続税の納税猶予制度を利用する場合には、農業委員会の証明書が不可欠です。

株式の相続に必要な書類

株式を相続する際は、上場・非上場の区分に応じて、評価・権利確認・税務処理に関する書類を整える必要があります。

上場株式関連

上場株式の相続では、証券会社を通じて保有状況を確認し、配当などの収益情報も把握します。

相続税評価額の算定には、相続開始時点の株価や保有株数を証明する書類が求められるため、証券会社からの各種資料を事前に取得しておくことが重要です。

証券会社の預かり証明書

証券会社の預かり証明書(残高証明書)は、被相続人が保有していた株式の銘柄・数量・保管状況を証明する書類です。

残高証明書には、相続税申告時の財産評価の根拠資料として使用する時価等が記載されていることもあるため、上場株式を保有している場合には取得することが望ましいです。

配当金の支払通知書

配当金の支払通知書は、相続開始前後の配当金の支払い状況を確認するための書類です。

相続開始時点で受け取ることが決まっていた配当金は、未収金として計上する必要があるため、配当が行われている株式を保有している場合は、通知書の有無を確認してください。

非上場株式発行会社の税務申告書・決算書等

非上場会社の株式評価には、過去数期分の法人税申告書、決算書、勘定科目内訳書などが必要です。

これらの資料をもとに、純資産価額方式や類似業種比準方式による評価を行います。

なお、非上場株式の相続税評価額の算出は非常に難しいため、税理士の関与が推奨される領域です。

現金・預貯金の相続に必要な書類

金融資産の相続では、口座の残高や利息の状況を正確に把握するための書類を整えることが求められます。

通帳

被相続人が保有していた金融機関の通帳は、口座の存在と取引履歴を確認するための基本資料です。

相続開始時点の残高や過去の入出金状況を把握することで、相続財産の正確な評価につながります。

残高証明書

金融機関が発行する残高証明書は、相続開始日時点の口座残高を証明するために必要となる書類です。

既経過利息計算書

既経過利息計算書は、相続開始日までに発生していたが、未払いとなっていた利息を計算した書類です。

定期預金や利付商品などでは、既経過利息も相続財産として評価対象となるため、金融機関に依頼して取得します。

なお、銀行で残高証明書を取得した場合、利息の計算を行っているケースもあるため、必要に応じて取得することが求められます。

還付金の受け取り

相続税申告後に、相続税を多く払いすぎてしまった場合に、申告期限から5年以内であれば、払いすぎた分を税務署から返してもらうことができます。

払い戻しを希望する場合は、「相続税の更正の請求」を行い、修正済みの相続税申告書、更正の請求書、更正の請求の理由の基礎となる事実を証明する書類の提出が必要です。

相続税の納めすぎについて疑いがある場合は、相続税に強い税理士等の専門家への相談をおすすめします。

生命保険金の受取に必要な書類

生命保険金はみなし相続財産として申告する必要がありますが、契約内容や支払状況を保険証券や支払保険料計算書で確認します。

支払通知書

保険会社が発行する支払通知書は、保険金の支払い実績を証明する書類です。

受取人、支払日、金額などが記載されており、相続税申告において保険金の評価額を確定する根拠となります。

紛失した場合でも、保険会社に依頼することで再発行が可能です。

保険証券(生命保険)

保険証券は契約内容を確認するための基本書類であり、保険の種類、契約者、被保険者、受取人、保険金額などが記載されています。

相続開始時点で契約が有効かどうかを判断する際や、保険金が課税対象となるか否かの判定に使用されます。

火災保険などの保険証

生命保険以外にも、火災保険や地震保険などの契約がある場合は、それらの保険証も確認対象となります。

たとえば、満期返戻金や解約返戻金が設定されている保険の場合、相続開始時点で受け取ることが可能な返戻金は相続財産となるため、返戻金額の算定が必要です。

また、掛け捨ての保険であっても、保険料の未経過期間に相当する「未経過保険料」が戻ってくる場合は、相続財産として計上しなければなりません。

解約払戻金・年金評価額の資料

終身保険や個人年金保険などにおいて、契約の途中で解約した場合や年金受給中の場合は、解約払戻金や年金評価額に関する資料が必要です。

これらは相続財産として評価対象となるため、必要に応じて保険会社から資料を取得して計算する必要があります。

退職金の受取に必要な書類

死亡を原因として支給される退職金がある場合は、支払内容を証明する書類を取得し、相続財産として正しく申告することが求められます。

支払通知書

死亡退職金を受け取った際は、支払通知書の内容を確認します。

この書類には、退職金の支給額、支払日、支給元などが記載されており、勤務先などから発行されます。

事業用資産についての必要書類

個人事業主が保有していた事業用資産を相続する場合には、資産の内容を正確に把握するために、申告書の控えや帳簿書類を確認・整理することが重要です。

確定申告書・帳簿書類

個人事業主の場合、事業用財産も相続財産として計上しなければならないため、青色申告決算書(収支内訳書)や固定資産台帳などを用いて、事業用資産の評価や債務の状況を把握してください。

これらの資料は、相続財産の範囲と金額を明確にするうえで重要な根拠となります。

その他の財産の相続に必要な書類

不動産や金融資産以外にも、相続対象となる財産には多様な種類があり、それぞれに応じた書類の取得が必要です。

自動車

被相続人が自動車を所有していた場合は、車検証や自動車納税証明書を確認します。

自動車の相続税評価額は時価となるため、査定を受けるか、年式・走行距離が類似する車種の相場を調べて評価額を算定します。

電話加入権

固定電話の加入権が残っている場合は、契約書や請求書などで権利の有無を確認します。

なお、相続税申告においては、家庭用財産等として一括評価する中に電話加入権を含めても差し支えありません。

ゴルフ・リゾート会員権

会員権の証書や契約書、市場価格を示す資料を準備します。

譲渡制限や利用条件によって評価額が変動するため、相続税の計算にあたっては専門家に評価を依頼することが望まれます。

電子マネー・仮想通貨

電子マネーや暗号資産(仮想通貨)を保有していた場合は、残高証明書や取引履歴を取得します。

暗号資産の評価方法は、活発な市場の存在によって異なるため、注意が必要です。

貴金属・書画・骨董

金・銀などの貴金属は、数量を確認するために購入時の領収書などを用意します。

貴金属は市場価格が変動しやすいため、相続開始時点での時価を把握することが重要です。

高額な美術品や骨董品については、相続税評価額を算定するために、鑑定書や専門業者による評価書を取得する必要があります。

貸付金等

被相続人が他者に貸し付けていた金銭については、契約書、返済履歴、通帳の記録などを確認します。

未回収分が相続財産として評価対象となるため、債権の内容を明確にしておく必要があります。

債務について必要な書類

相続財産には債務も含まれるため、借入金や未納税金などの負債に関する書類も申告時に整備しておく必要があります。

借入金

被相続人が金融機関や個人から借り入れていた債務については、借入契約書、返済明細、残高証明書などを確認します。

これらの書類により、相続財産から控除できる債務額を正確に把握できます。

借入先の名称、契約内容、利率などもあわせて記録しておくとよいでしょう。

未納租税公課等

死亡時点で未納となっていた所得税、住民税、固定資産税などの公租公課は、債務控除の対象となります。

納税通知書、督促状、税務署からの請求書などを収集し、未納額を明確にしておくことが大切です。

葬儀費用

葬儀費用は、相続税の計算において控除対象となる場合があるため、通夜・告別式・火葬・納骨などにかかった費用の領収書や請求書を保管しておきます。

支払者や金額の記録も必要となるため、明細を整理しておくと安心です。

なお、お布施に対する領収書がない場合は、寺の名称・住所・支払日をメモとして残しておきましょう。

e-Tax(電子申告)での申告

相続税申告はe-Tax(電子申告)でも行うことができます。

その場合でも、必要な書類は同様で、追加で必要な書類等はありません。

ただ、送付できるデータ量が決まっているため、添付書類が多い場合は全てを送れない可能性があるため注意が必要です。

相続開始前7年以内の贈与についての必要書類

相続開始前7年以内に被相続人から受けた贈与は、相続税の課税対象となるため、贈与に関する書類の提出が求められます。

令和5年以前は加算対象期間が相続開始前3年以内でしたが、令和6年以降の贈与からは加算期間が原則7年に延長されており、延長された4年分の贈与からは、納税者の事務負担を考慮し、100万円控除されます。

贈与税申告書

過去に提出した贈与税申告書は、贈与の事実と金額を証明する重要な書類です。

贈与税額は相続税額から控除できるため、税務署に提出した申告書の控えをもとに、贈与金額と納税額を確認してください。

贈与契約書

対象期間内の贈与は、110万円以下であっても相続税に加算しなければなりません。

贈与の正当性や時期を証明する資料として、贈与の内容や時期、贈与者・受贈者の関係を明記した契約書が有効です。

なお、契約書がない場合は、通帳の振込記録や領収書などを代替資料として活用します。

相続時精算課税制度を適用していた場合の必要書類

相続時精算課税制度を適用していた場合、対象となった贈与財産は相続税の計算に加算しなければなりません。

相続時精算課税制度選択届出書

相続時精算課税制度を適用する際には、税務署に「相続時精算課税制度選択届出書」を提出しています。

そのため、制度の適用有無は、提出済みの届出書の控えを確認してください。

贈与税申告書

被相続人から受け取った贈与財産に対して相続時精算課税制度を適用している場合、制度適用後の贈与財産はすべて相続税の加算対象となります。

また、令和6年以降に制度を適用している場合、110万円を超える贈与を受けた際には、贈与税申告書の提出が必要です。

そのため、贈与金額や財産の内容は、手元にある申告書の控えをもとに確認してください。

贈与契約書

税制改正により、相続時精算課税制度にも110万円の基礎控除額が新設されたため、贈与を受けても申告不要となるケースがあります。

そのため、贈与税の申告をしていない場合には、贈与の内容を記載した契約書などを確認する必要があります。

教育資金の非課税制度を適用していた場合の必要書類

「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度」は、教育資金の贈与を非課税にできる特例です。

ただし、贈与者の死亡時点に残っている管理残額については、相続により取得したものとみなされ、相続税の課税価格に加算される場合があります。

そのため、相続が発生した際は、管理残高を確認できる書類を準備してください。

結婚・子育て資金の非課税制度を適用していた場合の必要書類

「結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度」は、結婚・子育て資金の贈与を非課税にできる制度です。

特例を適用することで贈与税が非課税となりますが、贈与者の死亡時点に残っている管理残額は、相続により取得したものとみなされ、相続税の課税価格に加算される可能性があります。

そのため、相続開始時点での管理残高を確認できる書類を用意してください。

相続税の特例・控除を使う場合の必要書類・添付書類

相続税申告では、各種特例や控除を適用する際に、要件を満たしていることを証明する書類の提出が求められます。

小規模宅地等の特例

小規模宅地等の特例は、居住用または事業用として利用されている宅地の評価額を減額できる制度です。

遺産分割協議書や印鑑証明書に加え、制度の適用要件に応じた書類の提出が必要です。

たとえば、「特定居住用宅地等」に該当する宅地で、被相続人が老人ホームに入居していた場合には、被相続人の戸籍の附票や介護保険の被保険者証の写しなどが求められます。

また、「貸付事業用宅地等」に該当する宅地のうち、相続開始前3年以内に新たに貸付事業の用に供されたものである場合は、相続開始日まで3年を超えて特定貸付事業を継続していたことを証明する書類(所得税の確定申告書など)が必要です。

なお、「家なき子特例」を適用する場合など、対象地の生前の利用状況や取得する相続人の属性によって必要書類は異なります。

そのため、適用要件も含めて、具体的な内容は税理士などの専門家に確認することを推奨します。

特定同族会社事業用宅地等

小規模宅地等の特例の対象となる、特定同族会社事業用宅地等は、被相続人とその親族が50%を超える持株を所有する会社の事業に用いていた宅地で、面積400㎡まで80%の評価減となります。 この特例を適用する場合、以下の書類が必要です。

必要書類

  • 被相続人の全相続人が分かる戸籍謄本
  • 遺言書または遺産分割協議書の写し
  • 相続人全員の印鑑証明書(遺産分割協議で押印)
  • マイナンバ-を確認できる書類(マイナンバーカード裏表面写し・マイナンバー記載の住民票写し等)
  • 身元確認書類
  • 特定同族会社の定款の写し(相続開始時に効力を有するもの)
  • 被相続人および被相続人の親族その他被相続人と特別の関係がある者が有する、相続開始直前の法人の株式総数などが証明できる書類(法人が証明したものに限る)
  • 申告期限後3年以内の分割見込書(申告期限内に遺産分割ができない場合に提出)

配偶者の税額軽減

「配偶者の税額軽減」は、配偶者が相続する財産に対する相続税を一定額まで非課税にできる特例制度です。

遺産分割協議書や相続人全員の印鑑証明書が必要となるため、制度を適用する際は忘れずに添付してください。

障害者手帳

相続人に障害者がいる場合、「障害者控除」を適用することができます。

控除額は障害の程度によって異なるため、障害者手帳の等級や交付日を確認しておきましょう。

準確定申告に必要な書類

相続税申告を進めていく中で、相続税だけでなく所得税の「準確定申告」が必要なケースがあります。

準確定申告が必要な場合、以下の書類が必要となります。

必要書類

  • 所得税及び復興特別所得税の準確定申告書
  • 死亡した者の所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表
  • 所得金額、所得控除、税額控除などを確認できる書類
  • 準確定申告用の委任状(任意書類)

相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に提出する必要があります。

申告期限までに申告書を提出しなかった場合は、加算税や延滞税といったペナルティが課される可能性があるため、期限内に申告手続きすることが重要です。

準確定申告についての対象者や申請書の書き方はこちらの記事をご覧ください。

修正申告に必要な書類

相続税申告をした後に、新たに財産が見つかった場合や財産評価や税額計算に間違いがあった場合は、相続税の修正申告を行う必要があります。

修正申告では、相続税の修正申告書、納付書、本人確認書類の提出をし、足りなかった分の納付をしてください。

未分割の場合の相続税申告

相続税申告の期限までに相続財産の分割が決まっていない場合でも、期限内に相続税申告が必要です。

未分割での相続税申告の場合は、法定相続分に基づいて申告・納税を行うこととなり、その際に「申告期限後3年以内の分割見込書」を必ず提出する必要があります。

効率的な必要書類の集め方

相続税申告に必要な書類は多岐にわたるため、収集の順序と優先度を意識することで、手続きの効率化が図れます。

戸籍謄本から集める

相続関係を証明する戸籍謄本は、相続人の確定に必要ですので、最初に集めるべき資料です。

被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍は、複数の自治体にまたがることがあり、取得に時間を要する場合があります。

そのため、相続手続きを開始する際は、優先的に着手することが推奨されます。

発行までに時間がかかる書類は早めに集める

法定相続情報一覧図、農業委員会の証明書などは、発行までに数日〜数週間かかることがあります。

申告期限に間に合わないリスクを避けるため、発行に時間を要する書類は早めに申請し、進捗を管理することが重要です。

相続財産ごとに必要な領収書・証明書等を収集する

すべての相続財産を把握した後は、各財産に応じて必要となる領収書や証明書などを準備してください。

葬儀費用の領収書や保険金の支払通知書などは、手元に残っていることが多いですが、紛失している場合は早めに再発行手続きを行うことが望まれます。

必要書類の把握と不足している書類を確認する

相続財産の種類や特例の適用状況に応じて必要書類は異なるため、一覧表やチェックリストを活用して漏れなく把握することが重要です。

相続税の特例制度には、期限内申告が要件となっているものも多くあります。

証明書類がないと適用できない可能性があるため、必要書類を整理したうえで、早めに取得手続きを進めてください。

相続税に関係する書類を収集・入手する際のポイント

書類の収集には一定の時間と手間がかかるため、事前に流れと所要期間を把握しておくことが、円滑な申告につながります。

収集にかかる平均的な期間

必要書類の収集には、通常2〜4週間程度を要します。

自治体や金融機関によって発行スピードが異なるため、余裕を持ったスケジュール管理が欠かせません。

相続税申告書の取得場所

相続税申告書は、全国共通です。

国税庁のホームページからダウンロードできるほか、税務署の窓口でも入手可能です。

必ず原本が欲しい書類

戸籍謄本、印鑑証明書、登記事項証明書は、相続手続きにおいて原本の提出が求められる場合があります。

コピーや、一度ホチキスどめを外した戸籍では受理されないケースもあるため、複数部を取得しておくと安心です。

相続税申告を税理士に依頼する際の費用

税理士に相続税申告を依頼する場合の費用は、相続財産の規模や相続人の人数、業務範囲などによって異なります。

遺産総額ベースの料金形態の場合、遺産総額が1億円以下の相場は、20万円〜70万円程度が目安とされています。

また、土地や非上場株式など、複雑な評価を要する財産が含まれる場合には、報酬額が加算されることもあるため、事前に見積もりを取り、費用を確認しておくことが大切です。

まとめ

相続税申告では、必要書類の種類が多岐にわたり、各種制度や特例の理解も求められるため、一定の専門知識が不可欠です。

書類の収集、財産の評価、申告書の作成に不安がある場合は、税理士に依頼することで、正確かつ効率的な申告が可能となります。

特例の適用漏れや申告ミスによる追徴課税を防ぐためにも、相続税の申告手続きには、専門家のサポートを受けることが推奨されます。

相続税に強い
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私たちの想い

相続後に、
遺産をしっかり受け取り、安心して日々を過ごすことができるかどうか。
その鍵は、相続に強い税理士に出会えるかどうかが握っています

例えば・・

  • 申告に漏れがあれば、税務署から調査を受け追徴課税を支払う可能性がある
  • 税理士が見つからず申告が間に合わなければ罰金を受けたり税金が高額になる
  • 税理士が不親切であれば、よく分からないまま申告を行うことになる

など
実際に、
令和2年には、5,106件の税務調査が行われ、1件あたりなんと943万円の追徴課税が課されています。
相続に強い税理士がついていれば、まず税務調査に発展する可能性も低く、
追徴課税を受けるような抜けや漏れもないため、安心して相続税申告を終えることができます。

相続後の生活は、相続に強い、良い税理士に出会えるかどうかで決まるといっても過言ではないのです。

「亡くなられた方の遺産を、大事な方々にしっかりと残して欲しい」
「相続税のことで悩んだり、支払いに追われる様な方を1人でも多く減らしたい」


このサイトは、そんな想いで運営されています。